T1
T1のスペックは以下の通り。
・形式:セミオープン ダイナミック型
・周波数特性:5Hz〜50,000Hz
・SPL(最大):102dB 1mW/500Hz(126dB 300mW/500Hz)
・インピーダンス:600Ω
・許容入力:300mW
・THD:0.05%以下(1mW/500Hz)
・コード:3m 左右非対称
・プラグ:スレテオ6.3mm標準プラグ
・質量:350g
・付属品:キャリングケース
・質量:約350g
詳しくは日本代理店の公式を参照して頂ければ。
届いたパッケージ。大きめです。
側面には各国語の商品説明とMADE IN GERMANYの文字が。ステキ。
パッケージを開けると、中からは立派な作りの化粧箱が。
フラッグシップらしい扱いで、所有欲もいや増すというもの。
よい心意気ですね!
化粧箱を開けてT1とご対面。
マニュアル2冊入っていて、片方がT1の説明書、片方はbeyerdynamic社の紹介文でした。
T1の説明書の方は英語とドイツ語のみで雰囲気たっぷり。
紹介文の方には日本語もあって安心ですね。
ジャック部分。ちょっとふとましい。
ヘッドフォンスタンドに乗せてみたところ。
えっ?これはバナナスタンドじゃないかって?
細かいことはいいのです。実用性が大事。
ヘッドバンドの内側にシリアルナンバー。
2400番台でした。フラッグシップヘッドフォンとしては結構数が出てると言えるでしょう。
ヘッドバンドは段階調節が可能で、頭にジャストフィットさせて使用できます。
イヤーパッドとハウジング内側。
イヤーパッドはベロアで、上質な肌触りです。
長時間の装着でも苦になりません。
毛玉や糸くずが付きやすいのでお手入れが欠かせないかも。
ハウジングはむき出しに見えますが、薄い膜のようなものが貼ってあって一応むきだしではない感じです。
でもむやみに触ったりはしないほうが良いでしょう。
ハウジング内部の空間は広く、まず耳とは接触しません。
おかげで耳はフリーとなり、長時間付けていて耳が痛くなる、といったことはありませんでした。
さて、肝心の音質です。
一言で言えば
「素晴らしい」
これに尽きます。
まず、曇りなど一点もない高音が素晴らしい。弦楽器、管弦楽器、女性ヴォーカル、全てが澄んでいていやらしさの欠片も見いだせません。
しかし、硬質な音ではなく、サァッと抜けていく爽やかな音。サ行も刺さらず、聴き疲れとはいったいなんなのか、といった具合。
伸びもよく、明瞭さにおいてはT1に勝てるヘッドフォンは存在しないのではないか、と感じます。
中音、ヴォーカルや人の話し声は自然で、誇張のない聴きやすさ。濁りはなく、艶も十分に出ています。響きもいい。
低音は量を鳴らすというタイプではありませんが、強調しない、タイトに引き締まった低音が出ていて、とても上質。
音の分離感は凄まじく、オーケストラなどでは楽器の音がクッキリと浮かび上がり、どこで鳴っているのか手に取るように分かります。
他の音に埋もれていた音も良く聴こえるようになり、聴き慣れた曲でも新しい発見があるので、音楽を聴くのが楽しくなります。
特筆すべきは、音量を上げても全く破綻しないその音作り。
ついつい音量を上げてしまうので、ちょっと耳によろしくなかったりします。
このバランスの良さにはただただ感嘆するばかりです。
得意なジャンルはクラシック(小編成だといいかも)、ジャズなどでしょうか。
繊細であり明瞭なT1の良さを体感出来ると思います。
逆に、ロック等低音の量をとにかく出すジャンルだと少し不向きかも。それでも良く鳴ってくれるとは思いますが。
大体どんなソースを聴いても、気持ちよく聴かせてくれるヘッドフォンです。
その他雑感として…
セミオープンということもあり、音漏れは結構あります。外からのかなり音も聞こえます。
ケーブルは両出しで、ちょっと引っ張られる重みがあるかも。
高級なケーブル…という感じは全くありませんが、タッチノイズが発生することもなく、可以上の出来。
側圧はほどよく、よっぽど激しく頭を振らない限りずり落ちることは無いでしょう。
上質なイヤパッドと内部空間のお陰で着け心地は上質。
インピーダンスが600Ωと高いので、ドライブ出来るヘッドフォンアンプも導入した方が良いかと思われます。
ウォークマンやゲーム機等に繋いでも音量は十分とれますが、その場合T1の性能を出し切れてない可能性があります。
というわけで、T1、素晴らしいヘッドフォンです。
ヘッドフォンの中ではハイエンドの括りですが、値段以上の価値は確実にあります。
是非とも体験していただきたい代物です。
witten by makotin(2011/1/25)